支援職仲間と学ぶ対話実践
こちらのプログラムは満席になりました
「支援職だからこその悩みがある」
「支援職という立場だから、話せないことがある」
「支援の現場で自分なりに頑張ってはいるが、これでいいんだろうか…」
オープンダイアローグについて学べば学ぶほど、理想と現実のギャップに苦しむ支援者は少なくありません。オープンダイアローグが大事にしていることを現場に活かしたい、そう思っていても、同僚や上司はオープンダイアローグに興味を示さないために、孤独を感じている方もいるかもしれません。想いがあるからこそ、辞めてしまうところまで追い込まれてしまう、そんな人をたくさん見てきた、という声も聞きます。
支援職の方々は、困難を抱える人の悩みごとに寄り添い、時として共に重荷を担う役割を背負うこともあると思います。また、支援していく中でさまざまな「ちいさな傷つき」を経験することもあるでしょう。それを、そのままにせず一緒に手当てしあうような場、なるべく早く吐き出せる場としてこのプログラムを考えました。
オープンダイアローグは、クライアントの方が安心して話すことができるための仕組みでもありますが、支援者側がチームで関わることにより、ひとりで抱えすぎない良さもあります。現場で導入することが難しくても、まずは支援者同士で練習することが大切であるということも言われています。もしかしたら、「ケアする人のためのケア」 としてもオープンダイアローグは機能するのではないだろうか。
そう考え、私たち一般社団法人オープンダイアローグ ・アプローチ研究会FLATでは、支援職のみなさんが支えられる構造の中で学ぶ機会を提供するために、2022年10月から「支援職のためのオープンダイアローグ +ナラティヴ・アプローチ (略称:支援職ODプロジェクト)」を、開催し、どんなプログラムであれば「学びながら癒される」場を作れるのか、試行錯誤してきました。
今回新しく始める1年間のプログラムには、いくつかの目的があります。
①普段は話を聴く側にまわることが多い支援職の皆さんが、自分のことを話す「話し手」になる時間を確保すること。
(話を聴くためには、聴かれる体験をすることが大事だと思っています)
②自分自身を見つめなおす「自分との対話」の機会を持つことで、よりよい支援を行うためのトレーニングが積めること。
③支援職同士で対話実践をすることにより、「さもなければ語ることができなかったこと」が語られるチャンスを生み出すこと。
④事例検討の新しいやり方として、ナラティヴ・セラピーにおけるスーパービジョン、RC(リフレクシヴ・カンバセーション)を学び、認証と可能性を探求する対話ができるようになること。
普段、わざわざ時間をつくって、自分が話す機会を持つことはあまりないかもしれません。
だからこそ、“うっかり”話す機会や聴く機会がふんだんにあって、「自分が聴くこと」だけでなく、「自分が話すこと」も仲間の支えになる、そんな支え合いの場をつくりたいと考えています。
1年間という長いプログラムですが、一緒に過ごしてみたい方は是非ご参加ください。
※ノウハウを教える場所ではありません
※ケアする人のためのケアという側面のみならず、聴くこと、話すことによる対話トレーニングも兼ねています
《2024年 プログラム》
①1月24日(水)20時~22時
長めのチェックイン(リフレクティングを取り入れたミニ対話実践)
②2月4日(日)10時~17時(1日研修)
RC(リフレクシヴ・カンバセーション)
講師:国重浩一さん
③2月14日(水)20時~21時半
メンテナンス・ミーティング
④3月13日(水)20時~22時
RC(リフレクシヴ・カンバセーション)
⑤4月17日(水)20時~22時
ふらっと対話(全員が話し手をするミニ対話実践)
⑥5月15日(水)20時~22時
振り返りの対話のワーク(ナラティヴ・アプローチ)
⑦6月12日(水)20時~22時
組織論とナラティヴ
講師:黒田俊介さんに打診予定
⑧7月10日(水)20時~21時半
メンテナンス・ミーティング
⑨8月21日(水)20時~22時
オープンダイアローグ
⑩9月11日(水)20時~22時
RC(リフレクシヴ・カンバセーション)
⑪10月23日(水)20時~22時
支援職のためのオープンダイアローグぷち博覧会
⑫11月13日(水)20時~22時
ツリーオブライフ(ナラティヴ・アプローチ)
⑬12月11日(水)20時~22時
長めのチェックアウト、1年間のふりかえり
▷RC(リフレクシヴ・カンバセーション)とは?
認証し可能性を探究しながら実践を振り返る、協働的取り組み。
スーパービジョンというものの一般的な理解様式からは、教育、指導、訓練、管理という側面がかなり目立ってしまうことになりますが、ナラティヴ・セラピーに基づいたスーパービジョンでは、カウンセラーの取り組みを認証し、その上で、今後の取り組み対する可能性を探究していきます。
(引用元 NPACC HP)
▷2月4日(日)講師
●国重浩一(くにしげこういち)さん
1964 年、東京都墨田区生まれ。ニュージーランド、ワイカト大学カウンセリング大学院修了。日本臨床心理士、ニュージーランド、カウンセラー協会員。鹿児島県スクールカウンセラー、東日本大震災時の宮城県緊急派遣カウンセラーなどを経て、2013年から2023年までニュージーランドに在住。
同年に移民や難民に対する心理援助を提供するための現地NPO 法人ダイバーシティ・カウンセリング・ニュージーランドを立ち上げる。2019 年には東京に一般社団法人ナラテイヴ実践協働研究センターの立ち上げに参加。
著書に、『ナラテイヴ・セラピーの会話術」(金子書房)、『震災被災地で心理援助職に何ができるのか?」(編著、ratik)、『どもる子どもとの対話』(共著、金子書房)、 『ナラテイヴ・セラピーのダイアログ』(編著、北大路書房)、『ナラティヴ・セラピー・ワークショップ BOOK Ⅰ&Ⅱ』(北大路書房)、『もう一度カウンセリング入門』(日本評論社)など